1998年生まれは今年何歳?|「崩壊と再起動」の年に生まれた世代

1998年生まれのあなたは、「平成最大級の不況のど真ん中」に誕生した世代です。 日本の失業率は戦後最悪水準へ達し、金融システムは崩れかけ、政治は迷走。 世界では通貨危機で市場が揺れ動いていました。

しかし同じ年に、Googleが創業され、iMacが発売され、インターネットが世界を再設計し始めました。 旧来の経済が崩壊しながら、新しいデジタル経済が立ち上がる。 1998年は、まさに「崩壊」と「再起動」が交差した年です。

1998年生まれ世代の定義と時代背景

日本と世界を有機的に接続して見る

1998年(平成10年)の日本は、バブル崩壊後の不況が「一時的な不景気」ではなく、 構造的なデフレ不況へと移行したことがはっきりした年でした。

実質GDP成長率はおよそマイナス2.0%と戦後最大級の落ち込みを記録し、 完全失業率は4.1%と当時の過去最悪水準に到達。 日経平均株価は1万3千円台へ下落し、自殺者数も年間約3万2千人と急増しました。

出生数はおよそ120万3千人。 団塊ジュニア世代に比べると明確に少なく、人口減少社会の現実が数字としてあらわれ始めた時期です。

世界ではアジア通貨危機が続き、ロシア財政危機が起こる一方、 アメリカではIT景気が加速し、Googleが創業されるなど、新しいデジタル経済の萌芽が生まれていました。 1998年生まれは、「旧経済の崩壊」と「デジタル経済の誕生」が交差した年に生まれた世代と言えます。

日本を象徴する出来事TOP3(1998年)

第1位:金融再生法・金融機能早期健全化法の成立

1998年10月、金融再生法と金融機能早期健全化法が成立しました。 これにより、公的資金を投入して金融機関の破綻処理や資本増強を行うための枠組みが整備されます。 総額およそ60兆円規模の公的資金枠が用意され、日本の金融システムを守るための「最後の砦」として機能しました。

背景には、北海道拓殖銀行や山一證券の破綻など、バブル崩壊で膨らんだ不良債権問題があります。 不良債権は累計で50兆円規模とも言われ、「大手銀行が本当に潰れるかもしれない」という恐怖が社会を覆っていました。 1998年は、日本が市場経済のルールそのものを再設計し、金融システムの立て直しに踏み出した年でした。

第2位:完全失業率4%突破(雇用構造の転換)

1998年の完全失業率は4.1%。 現在の数字だけを見ると極端に高くは見えないかもしれませんが、 当時の日本は「完全雇用社会」が前提で、2%台が当たり前だったため、大きな衝撃でした。

この頃から、 非正規雇用の拡大、 成果主義の導入、 終身雇用神話の揺らぎ といった雇用制度の構造転換が本格化していきます。 1998年生まれは、「安定が自動的に保証されない社会」を前提に育った世代です。

第3位:長野オリンピック開催

1998年2月には長野冬季オリンピックが開催されました。 冬季五輪としてはアジアで初めてであり、ジャンプ団体の金メダルなど、多くの名場面が生まれました。

不況と金融不安が続く中での大規模国際イベントであり、 経済効果はおよそ6千億円規模と推計されています。 暗いニュースが多い時期だからこそ、スポーツが持つ象徴的な明るさが際立った年でもありました。

世界を象徴する出来事TOP3(1998年)

第1位:Google創業(検索エンジン革命の始まり)

1998年9月、Googleが正式に設立されました。 当時のインターネット利用者数は世界でおよそ1億5千万人ほど。 まだ“ネットは一部の人のもの”という時代でした。

その中で、ページランクという仕組みを用いたGoogleの検索エンジンは、世界の情報構造を大きく変えていきます。 情報格差は「知っているかどうか」から、「ネットにアクセスできるかどうか」という接続格差へ。 1998年生まれは、「検索するのが当たり前」の最初期世代だと言えます。

第2位:ロシア財政危機とLTCMショック

1998年、ロシアがデフォルト(債務不履行)を宣言し、通貨ルーブルが暴落しました。 その影響は世界の金融市場に波及し、アメリカでは巨大ヘッジファンドのLTCMが経営危機に陥ります。

この一連の危機は、グローバル金融が互いに強く結びつき、ひとつの国やファンドの問題が世界に広がることを示す象徴的な出来事でした。 現在の新興国不安や暗号資産市場の揺れも、この延長線上にあります。

第3位:iMac発売(デザインとITの融合)

1998年、スティーブ・ジョブズ復帰後のAppleから初代iMacが発売されました。 半透明でカラフルなデザインは、それまでの「コンピュータ=無機質で難しい機械」というイメージを大きく変えました。

ITは専門家だけのものではなく、生活の一部として身近な存在へ。 コンピュータがインテリアの一部になり、デザインとテクノロジーが融合する時代の始まりでした。 1998年生まれは、「ITが特別なものではなく、暮らしの前提になる世界」を前提に育った世代です。

1998年生まれは今何歳?

現在の西暦:2026年
生まれ年:1998年
現在の年齢:28歳
誕生日前なら:27歳

2026年なら28歳前後になります。

1998年生まれと重なる主な社会イベント

2003年(5歳):小泉構造改革が進行
2008年(10歳):リーマンショック(世界金融危機)
2011年(13歳):東日本大震災
2020年(22歳):新型コロナウイルス感染症拡大

思春期から就職期にかけて、複数の大きな社会的ショックを経験している世代です。 「安定が続く」よりも、「環境が揺れ動く」ことが当たり前という感覚を持ちやすいと言えます。

学校・就職タイミングと世代ラベル

小学校入学:2005年(平成17年)小泉改革期
中学入学 :2011年(平成23年)東日本大震災の年
高校卒業 :2017年(平成29年)人手不足が深刻化し始めた時期
大学卒業 :2021年ごろ(コロナ禍の就職活動)

2021年の有効求人倍率はおよそ1.1倍と、それまでの売り手市場から一転して急低下。 1998年生まれは、「人手不足による追い風」と「コロナ不況による逆風」が交錯するタイミングで社会に出た世代です。

世代ラベルとしては、いわゆるZ世代の初期層にあたります。 小学生期に嵐やポケットモンスター(ブラック・ホワイト)、 中高生期にボーカロイド文化やLINEの普及、 大学生期にはTikTokやサブスクリプション型音楽サービスが一般化するなど、 スマートフォン完全ネイティブとして成長してきました。

1997年・1999年生まれとの比較

1997年生まれ:消費税5%への引き上げや金融危機、アジア通貨危機が重なり、「転落の起点」となった年に誕生。
1998年生まれ:実質GDPマイナス成長、完全失業率4%台、金融システム不安がピークに達した「底」の年に誕生。
1999年生まれ:IT景気の回復兆しが見え始め、デジタル経済への期待が高まる年に誕生。

1998年は、旧来の経済が最も深く落ち込んだ局面であり、同時にその後のIT景気やデジタル革命への反転の起点とも言える年でした。 ほんの1〜2年の違いで、家庭の経済環境や就職時の景気認識に微妙な差が生まれます。

1998年生まれの人生フェーズ総括

1998年生まれは、経済崩壊の年に生まれ、デジタル革命とともに育ち、 災害や感染症の拡大、不安定な就職環境など、多くの変化を通過してきた世代です。

一言で表すなら、「再起動世代」。 不安定さを前提にしながら、自分なりのキャリアや生き方を設計していく力を持っている世代とも言えます。

今、28歳前後。 安定をただ探すのではなく、不安定な環境そのものをどう活かすかを考えられるタイミングです。 崩れた世界で育ったからこそ、新しい形をつくる側に回ることができる――そんな可能性を秘めた世代です。