1997年生まれは今年何歳?|「平成の分水嶺」に生まれた世代

1997年生まれのあなたは、「平成の分水嶺」とも言える年に誕生した世代です。 景気は回復しつつあるように見えながら、消費税増税や金融危機、アジア通貨危機などで再び急降下していったタイミングでした。

成長の夢と崩壊の現実が同じ年に共存し、グローバル資本主義の加速と不安定化が同時進行していた1997年。 不安定なグローバル経済秩序の“原点”と同い年なのが、1997年生まれの世代です。

1997年生まれ世代の定義と時代背景

日本と世界を有機的に接続して見る

1997年(平成9年)は、橋本龍太郎内閣のもとで、景気回復から一転して再び失速した年でした。 4月には消費税率が3%から5%へ引き上げられ、医療費自己負担の増加や特別減税の打ち切り、社会保険料の引き上げなどが重なりました。

名目GDPはおよそ523兆円、しかし実質GDP成長率はおよそマイナス0.4%。 日経平均株価は1万5千円台へ下落し、完全失業率は約3.4%と、その後の上昇トレンドの入り口に立っていました。 出生数はおよそ119万人で、人口減少社会への流れがはっきりしてきた時期でもあります。

世界ではアジア通貨危機が発生し、タイ・韓国・インドネシアなどが大きな打撃を受けました。 香港返還や、ダイアナ元妃事故死といった象徴的な出来事も重なり、グローバル化の光と影が同時に顕在化した年でもあります。 1997年生まれは、こうした不安定な世界経済の原点と同じ年に生まれた世代です。

日本を象徴する出来事TOP3(1997年)

第1位:消費税5%への引き上げ(財政再建路線の転換点)

1997年4月、消費税率が3%から5%へ引き上げられました。 それと同時に、医療費自己負担の増加や特別減税の終了、社会保険料の引き上げなどが一体で実施されました。 いわゆる「橋本内閣の財政再建パッケージ」です。

その結果、個人消費は大きく落ち込み、1997年後半からGDPはマイナス成長へ転じます。 翌1998年には失業率が4%台へと上昇し、デフレ傾向が強まりました。 1997年生まれは、財政再建を優先した「緊縮路線」の選択が、その後の経済停滞につながっていく起点の年に生まれた世代です。

第2位:山一證券・北海道拓殖銀行の破綻(金融危機の表面化)

1997年11月、準大手証券会社の山一證券が自主廃業を決定し、同時期に北海道拓殖銀行も経営破綻に追い込まれました。 バブル期の過剰融資と不良債権問題が、ついに「大手金融機関が倒れる」という形で表面化した瞬間です。

不良債権は推計で40〜50兆円規模とされ、金融システムへの信認が揺らぎました。 この危機を受け、翌1998年には金融再生法や早期健全化法が制定され、本格的な金融システム再編が始まります。 1997年生まれは、金融不安とともに平成後半を歩むことになる世代です。

第3位:神戸連続児童殺傷事件(社会心理の転換点)

1997年には、神戸市で14歳少年による連続児童殺傷事件が発生しました。 衝撃的な内容と、加害者が少年だったことから、社会に大きな衝撃を与えました。

これをきっかけに少年法改正が議論され、2000年には14歳からの刑事処分可能年齢引き下げなどが実施されます。 「子ども=無垢」というイメージが揺らぎ、社会の自己認識が変わり始めた時期でもありました。 1997年生まれは、安全神話が崩れた後の日本で育った世代です。

世界を象徴する出来事TOP3(1997年)

第1位:アジア通貨危機

1997年7月、タイ・バーツの急落をきっかけに、アジア通貨危機が発生しました。 通貨安と金利高騰が連鎖し、韓国やインドネシアなど多くの国がIMFの支援を受ける事態に陥ります。

韓国の実質GDP成長率は、1996年のプラス7%台から、1998年にはマイナス成長へ。 グローバルな資本移動が一国の経済を一気に揺さぶるリスクが、世界に強く意識されるようになりました。 1997年生まれは、アジア経済の不安定さと日本の金融危機が同時進行していた年に誕生した世代です。

第2位:香港返還(一国二制度のスタート)

1997年7月1日、香港がイギリスから中国へ返還され、「一国二制度」がスタートしました。 当時の中国のGDPは現在よりはるかに小さいものの、今後の世界経済の中心に向かっていく長いプロセスの重要な起点のひとつです。

その後の中国経済の台頭や、香港の政治・社会情勢の変化を考えると、1997年は東アジアの秩序が大きく動き始めた年と言えます。 1997年生まれは、中国の存在感が年々大きくなっていく世界を前提に生きる世代です。

第3位:ダイアナ元妃事故死とメディアの時代

1997年8月、ダイアナ元英皇太子妃が交通事故で亡くなりました。 事故当時の報道過熱やパパラッチ報道が大きな批判を浴び、メディアの在り方が国際的に問われるきっかけとなりました。

大衆メディアが情報と感情を一気に拡散させる時代のピークを象徴する出来事であり、その後のインターネットやSNS時代に続いていきます。 1997年生まれは、マスメディアからSNSへと情報環境が大きく変わる過程をリアルタイムで体験する世代です。

1997年生まれは今何歳?

現在の西暦:2026年
生まれ年:1997年
現在の年齢:29歳
誕生日前なら:28歳

2026年なら29歳前後になります。

学校・就職タイミングと時代の空気

小学校入学:2004年(平成16年)小泉構造改革期
中学入学 :2010年(平成22年)民主党政権下
高校卒業 :2016年(平成28年)アベノミクス期
大学卒業 :2019〜2020年ごろ(コロナ直前〜コロナ直撃期)

2019年の有効求人倍率はおよそ1.6倍と高水準でしたが、2020年には1.3倍前後まで低下。 1997年生まれは、「コロナ前に内定を得た世代」と「コロナ直撃の就活世代」がちょうど分かれる境界線に位置します。

学生時代のカルチャーとしては、小学生期にポケモンや嵐、中高生期にAKB48や初音ミク、ニコニコ動画、 大学生期にはYouTubeやTikTok、InstagramなどのSNSが日常インフラとなっていきました。 「SNSを使いこなす最初の本格世代」ともいえるポジションです。

1996年・1998年生まれとの比較

1996年生まれ:橋本行革や金融ビッグバン構想が掲げられ、構造改革とIT黎明が同時に進み始めた年に誕生。
1997年生まれ:消費税5%への引き上げや金融危機、アジア通貨危機が重なり、「転落の起点」となった年に誕生。
1998年生まれ:完全失業率が4%台へ達し、過去最悪水準となる中で誕生。

1997年は、回復期待から一転して景気後退に転じた“分水嶺”の年でした。 わずか1年の違いで、家庭の経済状況や、その後の就職環境に対する心理的な前提が微妙に変わってきます。

1997年生まれの人生フェーズ総括

1997年生まれは、緊縮財政と金融危機の年に生まれ、思春期にリーマンショックを経験し、 10代後半で東日本大震災、20代前半でコロナ禍を迎えた世代です。

経済的な安定よりも、「変化が標準」という感覚を持ちやすく、 安定したレールに乗ることよりも、不安定な世界の中でどう設計するかを考えやすい世代でもあります。

今、29歳前後。 他人の「正解」に合わせるのではなく、自分なりの設計図を描き始めるタイミングに差しかかっています。 世界が揺れる前提で育った世代だからこそ、その揺れに強いバランス感覚と適応力を生かせる場面が、これから増えていくはずです。